腕の重さは、自分の背中で支える
ダンスを踊っているとき、
相手に「重い!」と言われたことはありませんか?
昨日、ご自身のダンスのパートナーさんに「重たい」と言われショックを受けてこられた男性の生徒様から相談を受けました。
通常このブログでは、ダンスについては、上から目線になるのが嫌で、あまり書かないようにしています。
しかし、「相手の腕や手に悪気なく自分の体重をかけてしまう」問題は、実は多くの方が抱える課題の一つであり、以前私も通った道ですので、
私がイギリスやイタリアの師匠から受けた愛のムチも含め、以下少しですが、アドバイスを書きたいと思います。
私と櫻井のイギリス人コーチャーは、私が人生で最も尊敬する方の一人ですが、
知らず知らずのうちに私がコーチャーの腕に体重をかけてしまうと、踊っている最中ですら、手を離して突き返されます。
ロンドンのスタジオで、私は遠心力で吹き飛んでしまったのを思い出します(笑)
では、コーチャーは意地悪でそうしたのでしょうか?
もちろん、答えはNOです(笑)
彼は私に、「自分の体重くらい自分で支えられなくてどうする?Tomoに体重をかけ続けて、身体を運んでもらう気なのか?」と私の目の奥に問いました。
その時に初めて私は、自分では「気づかず」に相手に体重をかけてしまっている、と言う事に気付きました。
コーチャーは私にこの点をしっかりと自覚させ、よりダイナミックで美しく踊れるようにするための「変化の鍵」をくれたのだと思います。
一般的には腕の重さは、もちろん体重によっても変わりますが、大体3キロから4キロはあると言われています。
ダンスは1曲3分半です。肩より上に3-4キロの重りを持ち上げキープしたまま、踊り続けられますか?
ダンスには、回転の内回り•外回りに加え、回転の量、遠心力、ドライブの方向や量のコントロール、アンカーの位置など、加味しなければならないことが山程あります。
ダンスレッスン=「物理のクラス」なのでは?と錯覚することもしばしばです(笑)
その中で、男性も女性も、自分の背中の筋肉で、しっかり自分の両腕の重さを支え続けなければならないのです。
これは容易なことではありません。
ただ、この身体能力を鍛えてこそ、踊りの技術が活きてくるように思います。
「物干し竿に引っかかる洗濯物」のように、踊る相手に知らず知らず自分の体重をかけてしまうこと=自分の力でバランスが取れていない=ダンスのクオリティーが下がる負の連鎖、となります。
ですから、ご自分の腕や背中の重さには、かなり意識的に注意を向けると良いでしょう。
「いま私大丈夫?重くない?」と相手に確かめるのも一案です。私は櫻井に良く訊いています(笑)
男性の生徒様達と踊っている時、私が言う注意にも、「ご自分の腕の重さはご自分の背中で支えてください」ということは多いです。
男性であれば、なおさら腕の重さは重たいので、男性のみなさまは、女性に体重をかけて、相手に支えてもらわないようにしましょう(笑)
御自宅でもできる具体的なトレーニング方法としては、例えば、両手にペットボトル500mlを持って、腕を肩の高さに伸ばし、ホールドして3分間キープするというようなトレーニングも有効てす。
私はイタリアのトレーニングキャンプで、重りを両腕に嵌めながらずっとシャドーさせられていました(笑)
「もっとうまく踊りたい、もっと上手く踊れるようになりたい」と願うのであれば、自分の体重は自分で支え、自分でバランスを取れるよう、身体のトレーニングが必要です。
腕をしっかり自分の背中で支え続けるトレーニングは最低限毎日するとよいでしょう。
以上、自戒を込めて書きましたが、何かのお役に立てれば幸いです。
Good luck 🤞
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